根室線・石北線にH100形30両投入 接続を改善 JR北海道ダイヤ改正 利用少ない7駅廃止

JR北海道は2022年3月12日(土)にダイヤ改正を実施し、札幌都市圏以外の普通列車では新型車両の投入による速達化、利用の少ない駅の廃止などを行います。

JR北海道H100形気動車同士の行き違い(中村 昌寛/写真AC)
JR北海道H100形気動車同士の行き違い(中村 昌寛/写真AC)

老朽化したキハ40形などを置き換えるため、道内各路線でH100形電気式気動車の導入が進められています。従来車両より低床化されるほか、全自動冷暖房や車いす対応洋式トイレなどの設備により快適性の向上が図られます。今回のダイヤ改正では全30両のH100形が根室本線と石北本線に投入され、現行ダイヤより所要時間が短縮します。

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初めての投入区間となる根室本線の新得駅〜帯広駅〜釧路駅間では、普通列車54本すべてがH100形での運転となります。新得駅〜帯広駅間の所要時間は平均7分、最大で21分短縮するなど各区間で普通列車が速達化されます。これにより、帯広駅や池田駅で現行より1本早い列車へ接続可能となるなど利便性が向上します(接続が改善する主な列車の運転時刻は下表を参照)。

石北線の旭川駅〜上川駅間には2021年3月ダイヤ改正で2本のH100形の使用が開始されましたが、今回新たに19本が追加投入され、全24本中21本がH100形での運転となります。旭川駅〜上川駅間の所要時間は平均6分、最大で11分速達化します。これに合わせ、旭川駅での下り特急列車から上川駅行列車への接続時間が改善されます。特に、夕方の2本については現行より1本遅い特急から接続できるようになり、札幌での滞在時間が30分拡大します(接続が改善する主な列車の運転時刻は下表を参照)。

宗谷本線の東風連駅はダイヤ改正日の2022年3月12日(土)、名寄駅方向に1.5km移設され「名寄高校」駅に名称を変更しての営業が始まります。名寄市の要望および費用負担により実現するもので、北海道名寄高校から約200mの位置となり利用者増が見込まれることから、すべての普通列車と快速「なよろ」が停車する駅となります(詳細は下表を参照)。

宗谷本線ではそのほか、朝時間帯の比布駅発・旭川駅行上り普通列車1本の運転時刻が繰り上げられ、現行より1本早い札幌駅行特急列車に乗り換えることができるようになります。また、函館本線の函館駅発・森駅行下り普通列車1本は、運転時刻が見直された上で長万部駅まで直通化されます(運転時刻は下表を参照)。

【時刻表で解説】JR北海道 2022年3月12日(土)ダイヤ改正 普通列車の改正概要

一方で、利用状況に合わせた輸送力の見直しも行われます。通学利用がほとんどなく利用が減少する土休日を中心に、2両から1両編成への減車、運転取り止めなど輸送力の適正化が図られます。また、利用が少ない駅の見直しとして、函館本線の池田園駅・流山温泉駅・銚子口駅・石谷駅・本石倉駅、花咲線の糸魚沢駅、宗谷本線の歌内駅の計7駅が廃止となります。これらの見直しにより、年間で約1億3千万円の経費節減効果が得られるとしています。